“ユーザー” の考え方 ― 2種類のユーザー
まず知っておいていただきたいのが、ソラカメを操作するための「ユーザー」の考え方です。
ソラカメを通じて、SORACOMユーザーコンソールを初めて操作する人も多いと思いますが、SORACOM アカウント(以下、オペレーター)のルートユーザーとSAM ユーザーについて、カメラの映像確認に利用するスマートフォンアプリ「ATOMアプリ」との関連を確認していきます。
ルートユーザーとSAMユーザー
ソラカメを購入する際にオペレーターを作りましたが、この時に自動で作成されるのがルートユーザーです。
ルートユーザーはすべての操作を行える権限があります。
ルートユーザーとは異なるユーザーが、SAM(SORACOM Access Management)ユーザーです。SAMユーザーごとにパスワードや権限を設定できるため、複数の担当者でソラカメを使う際には不可欠の機能です。
不要なアクセスや操作ミスを防ぐことが期待できるため、本格利用の際にはSAMの利用を検討してください。ちなみにSAMユーザーの作成や権限設定は、ルートユーザーで行います。
ATOMアプリとユーザー
カメラの映像確認に利用する「ATOMアプリ」には、ルートユーザー・SAM ユーザーのどちらでもログインできます。これは、ソラカメのライセンスがオペレーターに紐づいて管理されており、かつATOMアプリへのログインはオペレーターに紐づいているためです。
【ケース 1】同一オペレーターの共有による閲覧
最初のケースは「外出先からはスマートフォンでカメラ映像を閲覧、在宅中は別デバイス(例: タブレット)で閲覧する」場合です。
手順は以下の通りです。
- ATOM アプリを、すべてのスマートフォンやタブレットにそれぞれインストール
- 同一オペレーターのルートユーザー(またはSAM ユーザー)で、ATOMアプリへログイン
利用端末は異なりますが利用者は同一となるため、同じルートユーザー(またはSAM ユーザー)でのログインでお使いいただけます。
【ケース 2】SAMユーザー機能による個別IDの発行
【ケース1】では、スマホ・タブレットそれぞれのATOMアプリに同一オペレーターでログインしました。単独もしくは利用者の監視ができる環境であれば、最も手軽なパターンです。
一方でアカウント共有はセキュリティ上の懸念があり、またポリシー上オペレーター(アカウント)の共有が禁止となっている現場もあるでしょう。
そこで、SAMユーザー機能にて閲覧者毎にログインIDを発行して、閲覧してもらうのが本ケースです。例えば、会社にあるフリースペースの混雑状況を、社員一人一人が自らのスマートフォンで確認できるような状況です。
手順は以下の通りです。
- ATOM アプリを、すべてのスマートフォンやタブレットにそれぞれインストール
- SAM ユーザーを閲覧者毎に作成
- それぞれのSAM ユーザーで、ATOMアプリへログイン
これで【ケース1】と同様に、全てのカメラ画像が閲覧できます。
1点注意したいのが「閲覧可能なカメラ選択は、この【ケース2】ではサポート外」ということです。
例えば3台のカメラを管理している場合、SAMユーザーAはすべて閲覧できるが、SAMユーザーBは1台のみ閲覧できるといった個別の制限はできないということです。
このようなカメラの閲覧を制限したい場合は、次の【ケース3】で解決できる可能性があります。
【ケース 3】カメラ共有機能による、オペレーター間のカメラ共有
ソラカメには「カメラ共有機能」があります。これは、自分が管理しているカメラを他のオペレーターと共有する機能です。これにより【ケース2】で実現できなかったカメラ個別の制御もできます。
例えば店舗が複数あり、その店舗メンバーは自分の店舗だけを確認しつつ、複数店舗を管理するメンバーはほかの店舗も確認する必要がある状況を想像してください。店舗毎にオペレーターを作成するところがポイントです。
自分が管理・所有するカメラの中から共有するカメラを選び、共有先オペレーターを指定することで共有できます。具体的な手順はこちらをご確認ください。
共有方法の指定は、ATOMアプリで「ユーザID共有」を選択してください。メール共有はサポート外です。
「ユーザID共有」を行うためには、共有相手のATOMユーザーIDを事前に知っている必要があります。こちらを確認してIDを確認してください。